牛丼

　友人に「歩くぐるなび男」の異名をとるOという人物がいる。美味い店の情報が豊富で、彼の後についていけばたいていは間違いない。ラーメンやそばなどのB級グルメ系には特に強い。しかしひとつだけ納得できないことがあって、それは牛丼。Oはかなりの吉野家びいきで、最近の牛丼復活を喜んでおり「吉牛に限る！」とよく言うのだが、それがオレにはよくわからないのだ。いや、確かに吉野家の牛丼は不味いわけではない。ときに無性に食べたくなったりもする。だけど松屋だってらんぷ亭だってすき家だって、たいして変わらんじゃないかと思ったりもするのだ。つまりオレは「違いのわからない男」なのです。
　さらに牛丼とは元々すき焼きのあまりをドンブリ飯にぶっかけて食べたものじゃなかろうかと愚考するわけで、自分の中では、あのすき焼き特有の甘みが白飯とからまって美味倍増！　というイメージ。そういう意味では吉野家でもどこでも、ちょいと甘みが足りないんだよなぁ。
　そこでときどき自分で牛丼を作る。といってもじっくり煮込んだりはせず、超手抜き。以下にオレ流牛丼レシピを御紹介。

作り方

１　まずは安い牛肉を買ってくる。今回は20％オフだったので国産牛を使ったけど、適度に脂身があれば何産でもいいと思う。ご予算しだいで。あとは玉ネギ。そしてつゆの素。
２　浅い鍋につゆの素を100cc、水を50cc、薄く切った玉ネギ（1/4）を入れて煮立てる。オレはここでさらにミリンを少々加えて甘みを増すのだが、そのへんはお好みで。
３　玉ネギがしんなりと飴色になったら牛肉投入。牛肉は煮すぎると硬くなるから、ここからは速さが勝負だ。でも、火を止める前におろし生姜を加えるのがコツ。チューブの生姜を２センチ分くらい入れる。それをかきまぜて最後にひと煮立ちさせ、飯にかければ出来上がり。生姜が牛肉特有の臭みを消してくれるので、くどくならない。お好みで七味唐辛子や紅生姜などをそえてどうぞ！
　ということで、製作時間は約10分。甘みの調整や、つゆだくも自分の好みに合わせて作れるので、オレとしては外で食うよりはイケてると自負しているのですが……いかがでしょう、Oクン？
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