Whispper

 老舗の条件とはなんだろうか? 例えば日本橋人形町では創業80年の喫茶店も老舗と称してはいけないらしい。なぜならあの地域では100年以上続いた店じゃないとそう名乗れないという商店街の決まりがあるのだ。厳しい……。しかし変遷の激しい飲食業界、なかでも開店から10年前後の店が多いソウルバーの中では、20年以上営業を続けていればもう立派に老舗だよね。ということで今回は北千住・Whispperをご紹介。

data

  • 東京都足立区千住3-5 第2小寺ビル2F / TEL(03)3881-2006
  • JR常磐線東京メトロ日比谷線千代田線北千住駅西口徒歩5分
  • 月〜木(火曜を除く)19時〜翌2時 / 金、土、祝前日 19時〜翌4時 / 日、祝日 19時〜0時 火曜日定休

shop

 赤坂MIRACLEの前身、六本木TEMPSの開店が1985年のこと。その6年前、79年の12月に開店したのがこちらWhispper。同一の場所でもうすぐ30周年というのは、George’sが移転し、OAが閉店した現在、都内ではトップクラスの老舗である。店名の綴りは「囁く」という意味のWhisperよりpがひとつ多い。なんでだろ、今度渡辺さんに聞いてみよう。ということでオーナーは渡辺鉄男さんです。いつもにこやかに迎えてくれる渡辺さんの、ソウルに関する知識は恐ろしいほど。以前フィリーディボーションズの全曲をまとめて聞かせてもらったことがある。筆者は「涙のディスコティック」とあと2曲くらいしか知らなかった。そういえばBRIO取材時にはマット・コビントンというシンガーのアルバム*1を見せてくれたけど、その人もフィリーディボーションズのリードシンガーだった人だ。でも渡辺さんは特にフィリー、甘茶専門というわけではない。広い店内の奥のほうには中古レコードの販売コーナーがあって、定番からレアものまでの品揃え。ヘタにのぞくと、酔った勢いでつい買いすぎちゃう危険コーナーです(笑)。

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ヴァイヴ・アライヴ

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 さすがに筆者はマット・コビントンは持っていない。で、取材時に他に推薦してくれたのはカメール・ハインズの当時の新譜。この人は80年代初頭にヒットを飛ばしたUKのセントラル・ラインというバンドのボーカル&ベーシスト。「Walking Into Sunshine」は今でもクラブでよくかかる。その後スタイルカウンシルやポール・ウェラーのサポートなどで活躍していた。そのカメールが96年のソロ第一作につづいて出したのがコレ。5曲目の「The Beauty Of You」という曲はモロにドナルド・フェイゲンの「I.G.Y.」のネタ使い。00〜01年ころ、よくかけたなぁ。久しぶりに聞いてみると、1曲目はリロイ・ハトソンのカバーで、2000年というより80年代前半の雰囲気。そっか「I.G.Y.」もあのころだよね。その他、ラテンあり、UKジャズありのバラエティに富んだ内容。なお筆者が所有しているのは日本盤なので渡辺さん推薦のものとはジャケットや曲目が多少異なる。
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*1:激レア!