12球団から勝利

 横浜ベイスターズ工藤公康投手が昨夜の読売ジャイアンツ戦で勝ち投手となり、これで現存12球団すべてから勝利を挙げた。史上6人目だそうである。おめでとうございます。ちなみに今はもうない近鉄バファローズからも勝利しているので、都合13球団からの勝利ということだ。
 6人という数字は意外と少ないと感じるのだが、この「全球団から勝利」という記録はすなわち苦労人の証しということでもあって、4年前までは最低でもセリーグ内で1回、パリーグ内で1回トレードを経験していないと、つまり少なくとも4球団にわたって在籍していないと達成できない記録だった。その球団の押しも押されもせぬ大エースなら簡単にトレードされることもないし(以前はフリーエージェントもなかった)、かといってクビに近い状態でトレードされるような選手なら(勝ち星がつきやすい)先発での登板機会も少ないだろう。とにかく種々の条件をクリアしなければ達成できない記録なのだ。充分に力はあるのになぜかあちこちタライまわしされてしまう悲運の投手、というイメージ。
 交流戦が開催されるようになってからは、交流戦を上手く利用して勝ち星を挙げれば、1回だけのトレードでも達成できるが、そのパターンを記録した選手はまだいない。強いて言えば吉井理人(昨年のオリックスバファローズ在籍時に達成)がそれに近いが、彼はなんと7球団も渡り歩いている。吉井ほど苦労人という言葉がピッタリくる選手もいないだろう。大リーグだけでも3球団を経験し、今シーズン途中からは千葉ロッテマリーンズに移籍と、まさに渡り鳥人生。
 もっとも、松坂大輔(ボストンレッドソックス)はメジャーから帰ってきたら読売あたりに入りそうな気がするので、きっとあっさりと達成するでしょう。他にも交流戦を利用すれば、この記録はもっと量産されるかもしれない。
 で、過去の6人を見てみると1983年の野村収が史上初。その後は古賀正明武田一浩門倉健ときて、吉井、工藤と続く。この6人の名前を見ていて気づいたのだが、半分の3人(古賀、門倉、工藤)は大洋ホエールズまたは横浜に在籍していたときの記録。野村は阪神タイガース在籍時に古巣大洋相手に勝ち星を挙げて記録を達成したが、彼も大洋での活躍が印象深い選手だ。
 なんだか大洋=横浜って苦労人請負所みたいになってるなぁ……まぁいいか、昨夜の工藤の勝利は素直に喜びましょうや!

カリスマアスリート 横浜ベイスターズ 工藤公康

カリスマアスリート 横浜ベイスターズ 工藤公康

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