Little Soul Cafe

Little Soul Cafe

 下北沢に対するパブリックイメージはなんだろう? ステレオタイプな物言いをすればやはり「芝居とロックの街」ということかな。売れない役者やミュージシャンの卵が安い飲み屋でクダを巻く、という感じ。それはそれである意味間違っちゃいないんだけど、貧乏人がおいそれと住めるほど安くないんだよね、あの辺の家賃。ま、それはいい。とにかくこの街にはあのTEMPSの下北沢店があったことを忘れちゃいけない。そして実は老舗ソウルバーも点在する隠れソウルタウンだったりするのだ。今回紹介するLittle Soul Caféもどっぷりとソウルな店。

data

  • 東京都世田谷区北沢3−20−2 大成ビル2F / TEL(03)5454‐9800
  • 小田急線・京王井の頭線下北沢駅北口徒歩5分。
  • 20時〜翌5時まで。日曜は2時まで。無休

shop

 マスターの宮ちゃんこと宮前伸夫さんは元TEMPS従業員。交差点時代の同店では顔を何度も見かけていたが、会話をしたことはほとんどなかった。その彼が1999年9月に開店したのがこのLittle Soul Café。通うようになって打ち解けて話すようになると即座に彼の変態ぶりが露呈された(笑)。店に入ればすぐにわかるのだが、店内に置いてあるレコードの量がハンパない。ざっと1万枚以上はあるという。個人のレベルで万のオーダーになると、ちょっと置き場とか管理の面で大変だと思うのだが、宮ちゃんはどこ吹く風で毎日ひょうひょうとレコードをかけている。ジャズ系のものからダンスクラシック系のレアなものなど、ひょいっと出してくるのが凄かったりするわけだ。あ、あとラム酒へのこだわりもかなりのもので、ここでも筆者はズボラを決め込んで、いつもお任せで飲ませてもらっている。

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「いやー昨日ロン・ヘンダーソンのレコード売っちゃったんですよー」なんて恐ろしいことをさらりと言う。あのミラーボールのジャケットのやつって買うとン万円だよね……気軽に売るなよぉー。とまぁ、充分に変態ぶりを発揮してくれている宮ちゃんだが(笑)、推薦盤も一筋縄ではいかない。REINBOW BROWNのセルフタイトルLP。これはNYのプロデューサー、パトリック・アダムスの手によるもので、pap(Patrick Adams Production)レーベルからのリリース。コーラス好きの変態の間ではこの人はカレスのプロデューサーとして認識されていると思うが、本作は1981年作だけあって、カレス(77年作)と比較すればかなり現代的なサウンドで、変態度も低い。80年代前半にカシーフあたりを中心に一世を風靡したいわゆるNYサウンドとも微妙に違う感じ。Fonda Raeを中心とした女性コーラスがメインの典型的なダンスクラシックという印象。「BRIO」取材時には再発も出ていなかったが、数年前にCD化されてビックリ! 夜、ちょうど日付けが変わるころ(0時前後)にテンション上げて聞くのがよろしいかと。
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