東京ジャズ2009 (2009-9)

hatake-19612009-09-04


 今年もこの季節が来た! 雑誌「ADLIB」の取材で東京ジャズの全公演を見る(聞く)というお仕事なのだ。オレにとっての「鈴鹿8耐」のようなもん。あ、8時間より長いな(笑)。
 今回の目玉は誰になるんだろうか? 昨年はどう考えてもスライだったけど。まぁフツーに考えればラストのルー・ドナルドソンかな。あと、最近は東京ジャズの顔になりつつある上原ひろみも興味深い。でもオレとしてはジョージ・クリントンのP一派に一番注目しちょります、やっぱ。

↓去年の記事はコチラ。
http://d.hatena.ne.jp/hatake-1961/20080829/1220029719
http://d.hatena.ne.jp/hatake-1961/20080901/1226929290

 今日はGALA NIGHTってことでNHK交響楽団とオランダのシンガー、ウーター・ヘメル、そして上原ひろみ矢野顕子のデュオ。
 で、のっけから苦言を呈したいのだが、いいかげんにしろよ、NHK。なんでいきなりフルオーケストラのクラシックなんか聞かされなきゃならんのだ? ジャズ祭だぞ、これは! 東京ジャズの主催者の欄にNHKの名前が並んでいるが、だからってN響をここまで露骨にフューチャーしなくてもいいじゃんか。クラシック聞きたい人はクラシックのコンサートに行くよ。オレはジャズを聞きにきたんだよ!
 しかも中途半端にポピュラー化した演奏もムカつく。オレが最も嫌いなのはジャズを取り入れたクラシックなのだ。「ワシらのほうが高級なことやっちょるけど、まぁジャズもおもろいからちょっとやってみようか」的な上から目線に虫唾が走る。なんかロシア人の若いピアニストが出てきたけど、まぁそのフレージングの小ざかしいことったらない。ホント、聞いててムカっ腹立った。
 ガーシュゥインがクラシックの作曲家に教えを請うたら「このジャズ野郎!」といわれて断わられたそうだが、オレならこう言い返したいね「ウルセーこの大昔野郎!」と。

 1時間以上もチンタラとクラシック聞かされて、そのあと続いて出てきたのがオランダのイケメン・シンガー。これまたなんともフニャフニャで、どーでもいいよ。

 それでもラストは待ってました! 上原ひろみタン。「タン」とか使っちゃうほど、オレの中ではアイドルなのだ。今イチバン見たい聞きたいピアニストである。グランドピアノを2台向かい合わせに設置したステージは、往年のハンコックとコリアのデュオを思い出させる。内容はといえば、イヤー、すげーよ! のひとこと。超絶テクニックに全身全霊をこめた気迫の演奏がビシビシ来る。申し訳ないけど矢野さん、完全に迫力負け。二人が交互にソロとバックを分担するが、もうね、ひろみタンのほうが全然ジャズ。あたりまえだけど(笑)。フレージング、タッチの力強さ、そしてなにより絶妙の間というかタイム感覚の素晴らしいことったらないね。
 前座で溜まったフラストレーションも解消されました。
 考えてみれば、N響がお高くとまって演奏していた同じ舞台を明日はPの連中が蹂躙するのかと思うと、ちょっと痛快。
人気ブログランキングへ

ブルーノート70周年@東京JAZZ2009

ブルーノート70周年@東京JAZZ2009