ORITO氏急逝

ソウル・ジョイント

ソウル・ジョイント

 なにがあったのか、詳しくはわからないが、とにかく驚いている。
 ソウルシンガーORITOのデビューは1995年。当時オレは「スコラ」という雑誌の編集部で働いていた。ビクターの細田日出夫さんの強力プッシュもあり、音楽専門誌でもない「スコラ」でアルバムのレビューを掲載したことを思い出す。六本木のライブハウスに聞きに行ったことも。
 その後しばらくは当方の情報収集不足のせいもあり動向を知らずにいたのだが、ひょんなことで再会を果たした。雑誌「BRIO」の連載で高円寺のソウルバー「JUKE BOX」を取材したときのこと。常連客を取材させて欲しいというこちらの要望に応えてマスターの安井さんが呼んでくれたのがORITO夫妻だったのだ。ハンチングをかぶって奥さんとふたり、ゆっくりウイスキーを傾けている姿は、シンガーというより音楽好きで酒好きな好漢というたたずまい。もちろんオレのことは覚えてはいなかったけど*1、当時のことを思い出しながらボツボツとした語り口で話すうちに盛り上がり、「ライブをまた活発にやる予定なのでゼヒきてください」との言葉とともにその夜はわかれた。ちょうど3年前、2005年初頭のことである。
 申し訳ないことに、その後ライブ情報をいただいてもなかなか会場に足を運ぶことができずにいたが、この3月末に大久保の「Stone」にてライブ開催の報を聞き、久しぶりにあの歌声を聞きに行こうと思っていた矢先だった。
 ただでさえ数が少ないジャパニーズ・ソウルシンガーの貴重な人材がひとり減ってしまった。悲しい……。
 葬儀は本日午後大阪で執り行われるという。行くことはできないが、心より御冥福をお祈りいたします。
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*1:ライブ会場で紹介されて挨拶した程度だから当たり前だが