ZIP

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 ジョージ・クリントンブーツィー・コリンズ、そして先日来日したバーニー・ウォーレルらが切り開いたP-ファンクという沃野。我々は今その恩恵を浴びて素晴らしいオトを楽しんでいる。そんなP-ファンクのファンは、そのオトの泥沼に一度ハマると抜け出せなくなり、その中で身もだえしながらイっちゃう人ばかりだ。そして大阪にもどっぷりとハマって抜け出せなくなっちゃった人がひとり……。

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 大阪でファンクを語るとき、この人を避けて通るわけには行かない。キタでZIPを経営する山本泰義さん。以前は阪急東通商店街の突き当たり(堂山)にあったZIPだが、周辺に風俗系の店があまりにも増えたので現在地に移転した。以前の濃〜い雰囲気の店内も魅力的だったが、現在はすっきりとした内装で、女性客でも気楽に入れる店となった。しかし気を抜いてはいけない。流れている音に耳を傾けると、P-ファンク系はもちろん、西海岸ギャングスタ系などのいわゆる”アブナイ”音で店内は満たされているのだ。とはいえ、ごく普通のソウルや80年代モノも揃っており、決しておどろおどろしい「マニアの館」などではないので御安心を*1。むしろ気楽に焼酎も楽しめるオシャレなP-ファンクバー(←なんとなく言葉に矛盾ありますかね(笑))。御大ジョージはもちろん、来日したファンク系ミュージシャンは大阪公演のあとに必ず寄るという噂も。あのラリー・ブラックモン(カメオ)がホテルから巨体を揺らしママチャリに乗って通ったという伝説あり! 大阪で熱くファンクを語りたいならぜひここで!

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ファンク・ウィズ・ア・ビッグ・フット

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 PやG*2のレアなお皿を所有している山本さんだが、BRIOでの取材時には比較的普通のアルバムを推薦してくれた。とはいっても一般的にはまったく知られていない一枚だろうけど。ということでクエイザーの『QUAZAR』(1978年)。P本体で活躍していたグレン・ゴインズがプロデュースしており、バンドのリーダー格はグレンの弟のケビン(g、vo)である。他のメンバーを見てもいわゆるPファンク軍団の主力メンバーはそれほど参加していないが、グレンがバックボーカルやギター、ベースなどでサポートしており、ジェローム・ブレイリー(ds)の名も見える。A面1〜3のPテイスト満載なファンクの連発、中でも3曲目「Funk'n'Roll」のブっ飛ばし感は、今の季節、汗を出し切るにはいいんじゃないでしょうか。ちなみにグレンはこのアルバム発表の直前に急死しており、追悼の意味もこめられた作品だ。
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*1:以前の堂山のころはそういう雰囲気も漂っていたが(笑)

*2:P-ファンク、ギャングスタラップ