PENTAX K-m

Pentax デジタル一眼レフカメラ K-m ボディ K-m

Pentax デジタル一眼レフカメラ K-m ボディ K-m

 世界最小最軽量。
 カメラ、特に一眼レフは小さければいい、というわけではなく、手に馴染んで握りやすく、適度に重いほうが手ブレを起こさなくていい――と、これは一般的な御意見。でも小さくて軽いほうが持ち運びに便利なのはいうまでもない。実際、デジカメもコンパクトタイプは携帯電話なみのサイズで厚さも名刺入れくらいのものがゴロゴロある。
 一方デジタル一眼レフは二極化が進み、ニコンキヤノンのフラッグシップ機のようにドドーンと重くてでかくて存在感のかたまりみたいなものもあれば、入門機やその周辺クラスはより小さく、より軽くという方向を目指している。
 で、ペンタックスのK-mだ。この機種、一昨日(10/24)発売になったばかりのできたてのほやほや。これが世界最小最軽量のデジタル一眼レフだという。
 ペンタックスってずっと昔から一眼レフの小型化に取り組んできた会社で、1960年代の大ヒット作、SPなども、今では大きく思えるけど、当時の水準ではずいぶんとコンパクトな印象だったらしい。
 しかし70年代に入ると満を持してオリンパスが今までの常識をくつがえすほど一気にダウンサイジングしたOMシリーズを発表し、市場の人気をさらった。
 小型化の元祖を自負するペンタックスはこれにカチンときたのだろうか、OMシリーズに対抗してMX、MEというこれまたビックリするほど小さな一眼レフを登場させた。その縦×横×高さのサイズをOMシリーズからちょうど0.5mmだけ小さくするという、やや大人気ない態度には笑わされるが、その精密な時計のようなカメラは、機能を犠牲にすることなく小型化を達成していて、オレはかなり好きなカメラだ。
 ちなみに、どちらもこのブログで紹介している。
 PENTAX MX OLYMPUS OM-1
 今回のK-mを見て感じたのは「ペンタックスさんまたやったね」である。オリンパスがEシリーズの超コンパクトなデジ一眼を発表してから約1年。いやいや最小最軽量はどーしてもゆずれんっ! とばかりにこの機種を投入してきた。いや、本当は違うだろうけど、OMとMXのサイズ合戦を知っている身としてはどーもそー思えてならない。まぁサイズ的にライバルになるのはE-420だろうけど、あれはボディ内手ブレ補正がない。E-520だと結構大きくなってしまう。だから今回はペンタックスの勝ち……かな。
 ま、そんなことはどーでもいいか。本日入手したので早速使ってみよう(ちなみに新宿ヨドバシカメラであっさり買えました。K10Dのときのような争奪戦状態にはまったくなっていなかった)。

 ちっちゃいよね、ホント。一緒に写っている電池と比べてもらえばわかると思うけど、本当に手のひらにチョコンと乗ってしまうサイズ。40mmのパンケーキレンズを装着したので、さらにコンパクトにまとまった。
 撮像素子は約1000万画素で画像エンジンも含め、K10Dのものと一緒ですね。でも感度は3200までアップしてある。感度に関しては、まだ暗いところで撮影していないのでどんなもんかわからないけど、ニコンD3みたいな万能性はまず期待できないだろう(←あたりまえだけど)。それでも1600を気楽に使えるのはいいかも。
 使い勝手は、とにかくシンプル。K10Dやフィルムカメラを年中使っている身としては、ほとんどマニュアルなんか読まなくても使えます。シャッターボタンのすぐ後ろに「?」マークのついたボタンがあって、これ押すと液晶モニタ上にヘルプメッセージが表示される。初心者向けの配慮なんだろうけど、はっきりいっていらん。そんなもんいちいち見るかよ、めんどくせー。多分、この機種で初めて一眼レフに触れる人だって、こんな機能使わないと思うぞ。でもね、このボタン、カスタマイズでK10DやK20DについているRAWボタンの機能を割り振ることができるんだね。もちろんオレは速攻、そうしました。
 また、ボディ上部に液晶パネルがないからメモリや電池容量の残量がわからない。そのため液晶モニタにずっとガイド表示がでてるんだけど、これもうっとうしいから消しちゃいました。ファインダー内表示にメモリ残量計が出ると便利なのになぁ。

追記その1:すいませーん! 設定を変えればファインダー内にメモリ残量(撮影可能枚数)が表示されることが判明いたしました。皆さん、マニュアルは読みましょう!

 まぁホワイトバランスや感度の変更もいちいち液晶モニタにメニューを呼び出してから行なうとか、そういう面倒くささはあるけど、その辺はエントリ機の宿命みたいなもんだからあっさりあきらめましょう。K10Dだって似たようなもんだ。

 それよか悔しかったのが、旧レンズに関して。メニューを見ていたら「絞りリングの使用を許可する」という項目があって、さらにマニュアルのレンズを装着するとK10Dと同じように焦点距離の入力画面が現われる。おおっ! こりゃいいやと思って早速古いMレンズをつけてみたのだが……絞り値が表示されんのだよ。カメラのモードをマニュアルにしたら、ちゃんとレリーズのときに絞りは作動するのだが、露出計の絞り値が表示されないからカンで絞り値を設定して、一回二回と撮ってみてやっと絞り値を決定する、という方法しか使えないみたい。これじゃ現実的にはムリだわ。マニュアルフォーカスのレンズでもA以降のものしか実質使えんね。この辺、なんか裏技があるのかもしれないけど……。

追記その2:とにかくマニュアルを読めっ! って話です。MレンズでもOKでした。
1.カメラはマニュアルモードにします。
2.レンズ側のリングで絞り値を設定してからカメラの露出補正ボタンを押せば、絞り込み測光を行なって、適正なシャッタースピードが設定されます。
つまりK10Dのグリーンボタンと同じ機能。ふふふ、これで古いレンズも使えるぞ。アダプター使ってタクマーレンズもOK。ただ、絞りは連動しないから絞り込んだらファインダーが真っ暗になっちゃうけどね。

 この機種ならではの面白さは、撮った後(撮る前にも設定できるけど、撮った後のほうがいいと思う)にカメラ内のデジタルフィルターでイロイロ遊べるところ。わざと周辺光量を落として人気のホルガで撮ったように見せるトイカメラモードや被写体の中の1色だけを抜き出してあとはモノクロにする色抽出モードなんかはかなり遊べるね。









 ニコンキヤノンじゃ絶対やらんだろうな、こーゆーことは。
 ちょっとハデなストラップをつけて、気分は宮崎あおい。まぁ彼女はオリンパスのキャラクターだけど、このカメラの雰囲気に近いのはあーゆーコマーシャルだろう。ペンタックスもHOYA傘下に入ったのだから、ここらでドーンとテレビCMでもやらないかな。黒木メイサとか加藤ローサなんか使ってみちゃどーでしょ? ペンタックスは「ママカメラ」のイメージで売りたいみたいだけど、若いオネーチャンをターゲットにしたほうがいいと思う。「ママ一眼」はキヤノンに任せておきなって(笑)。
 とゆーことで、これからかなり活躍してくれそうなK-m初対面インプレッションでした。
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